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廃棄されていた有機バナナの茎を活用。ザンビアで雇用を生み、自然を守る「ワンプラネット・ペーパー®」
廃棄されていた有機バナナの茎を活用。ザンビアで雇用を生み、自然を守る「ワンプラネット・ペーパー®」
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廃棄されていた有機バナナの茎を活用。ザンビアで雇用を生み、自然を守る「ワンプラネット・ペーパー®」

世界的に人気が高く、日本でも年間100万トン以上が輸入されているバナナ。その実を収穫する際は、茎ごと切り落とし、不要となった茎は廃棄を余儀なくされてきました。
ワンプラネット・カフェが生産・販売する「ワンプラネット・ペーパーⓇ」は、従来は廃棄されていたバナナの茎を有効活用して作られる紙。アフリカで採れた有機バナナの茎と日本の和紙技術のコラボレーションで生まれた「バナナペーパー」です。

アフリカ南部の国・ザンビアに、野生のキリンやゾウ、ライオンなどが生息する「サウスルアングア国立公園」があります。この地域では、豊かな自然環境を誇る一方で、深刻な貧困により密猟や違法な森林伐採という問題が引き起こされていました。

サウスルアングア国立公園のほど近くにあるオーガニックのバナナ畑で、バナナペーパー事業が始まったのは、2011年。その目的は、バナナの茎を有効活用したサーキュラーエコノミーの実現だけでなく、地域に新しい雇用を生み、ひいては野生動物や森林を保護することにもありました。

バナナペーパー事業は、手作りの道具を使った手作業からスタートし、2014年にはクラウドファウンディングにより環境に配慮した持続可能な工場が完成。2016年には、ワンプラネット・ペーパーⓇが紙業界で日本初のフェアトレード認証を獲得しています。

バナナペーパー工場は、小学校にも行っていない人が多い村から建設マネージャー、現場監督、大工などを見つけ、2014年に建設された。環境認定の建材、ソーラー電力の一部活用、地域の気候特性を生かしたバイオクライマティックな建築デザインなどを実行。現在はSDGsの17の目標すべてに対する取り組みを行っている。
ザンビアで採取した繊維は、福井にある越前和紙の工場などでバナナペーパーに姿を変える。これは紙の品質を維持するだけでなく、日本の伝統技術の継承にもつなげる意味がある。

現在、日本国内の紙製品メーカー、印刷会社32社と協働して商品開発などを行い、名刺やシール、卒業証書、包装用紙といった形で販売されるワンプラネット・ペーパー(R)。イギリスの紙工場とコラボレーションしての生産、世界15カ国での販売と、グローバルブランドに成長しつつあります。

LUSHなどの企業でギフトパッケージやタグに採用されている。

気候変動の原因となるCO2を減らす取り組みが実り、2021年にはバナナ繊維はザンビアのバナナ畑から日本の倉庫に届くまでに出るCO2を相殺してカーボン・ニュートラルに。また、バナナ繊維の配合率が20%以上のワンプラネット・ペーパーⓇは、すべての生産段階でCO2の削減努力を行うとともに、アフリカの森林保護活動を通じて生産の工程で排出するよりも多くのCO2を吸収することで、「クライメート・ポジティブ」を達成しました。

人にも環境にも優しいサステナブルな紙がバナナのように世界で愛される日は、きっと遠くはないはずです。

2017年からザンビアの工場で始まったのは、バナナ繊維を使った手漉きの紙づくり。現地の人材のスキルアップと雇用創出につながっている。

取材・文/有馬ゆえ

ワンプラネット・カフェ

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