役目を終えたカラーコスメをエシカルなクレヨンにする「COSME no IPPO」
メイク好きにとって、コスメは大切なインスピレーションの元。ただ、気分や流行、年齢に合わせて選ぶものが変われば、使い切れずに廃棄せざるを得ない場面もあるはずです。
COSME no IPPOは、役目を終えたカラーコスメをクレヨンにリサイクルするプロジェクト。代表の大澤美保さんは、10年以上、PRとして美容業界で仕事をしてきた中で、ある課題意識を持っていました。
「コスメのPRとしてお会いするお仕事関係の方々から、シーズンごとのコスメの整理が大変というお話を聞き、それを解消する術はないかなぁと考えていたんです。私自身も、コスメを使い切れずに長期間、棚にしまいこんだ挙句に捨ててしまうことへの罪悪感を覚えていました」
大澤さんはさらに、化粧品メーカーがシーズナルコスメや実店舗でのテスターなどを大量に廃棄しているという現実も知ります。
ワクワクした気持ちで購入したコスメを、最後までワクワクしながら使い切りたい。美容業界が出している大量のゴミをゼロにすべく行動したい――。
こうした想いからCOSME no IPPOをスタート。「カラーコスメの色の多様性や美しさを生かし、画材にしたい!」と、自ら工場を探すなど試行錯誤を続けるなか、コスメをクレヨンに変える活動をする団体を見つけ、依頼することにしました。
もし手元にもう使わないカラーコスメがあるならば、まずは公式InstagramにDMで問い合わせを。回収の対象は、アイシャドウ、チーク、リップ(リップクリーム、リップグロスを除く)、パウダータイプのアイブロウ、粉白粉、フェイスパウダーです。
「ご連絡をいただきましたら、カラーコスメの送付先をお知らせいたします! ケースから外して、同系色でまとめて紙などに包んで送っていただけるとうれしいですが、難しければケースごと送っていただいてもかまいません」
現在、いくつかのプロジェクトを進行中で、第1弾として商業施設でのキャンペーンも予定しているそう。回収箱も設置予定です。
ゆくゆくはクレヨンの卸売りやオンラインストア販売もしていきたい、と大澤さん。クレヨンに形を変えたコスメは、再びその美しい色で誰かにインスピレーションを与えるのでしょう。
取材・文/有馬ゆえ
COSME no IPPO