オーガニックコットンウェアブランドのPRISTINEが日本初、衣類の残糸・残布を使用したトルソーを発売
私たちが日々、身にまとう衣類は、生地からパターンを切り出して作られます。その生産過程で出る糸や生地は、使い道が限られており、その多くが廃棄されてきました。
PRISTINE(プリスティン)は、1996年の誕生以来、オーガニックコットンにこだわり、サステナブルなものづくりをしてきたブランド。衣類を中心にオーガニックコットンの製品を企画、販売する一方で、2030年までに廃棄ゼロの実現を目指し、生産過程で出る糸や生地などを回収して新たな製品を作る「リコットン・プロジェクト」に取り組んでいます。
リコットン・プロジェクトは、自社製品から出たオーガニックコットンの残糸、残布から「リコットンペーパー(再生木綿紙)」や再生糸を作る取り組み。これまで「リコットンシリーズ」という製品ラインや、ブランドタグや社員の名刺が誕生。実店舗では、再生が難しい残布、残糸、残紙の量り売りも行っています。
9月に販売がはじまったのは、日本で初めてリコットンペーパーを使用した「リコットントルソー」です。
世界で2018年は約10万体、コロナ禍で生産が縮小してなお年間3万~4万体が生み出されているトルソー。その毎年の廃棄数は、生産数の8割にのぼるといわれます。一般的にそのほとんどが海外の工場で、また石油由来の素材から作られているトルソーは、製造、輸送段階での環境への負荷が問題視されます。
他方のリコットントルソーは、水に濡れなければ一定程度は使用でき、再生産も可能。廃棄後の地球環境への負荷にも配慮し、土に還る素材のみを使用しています。
今後は、PRISTINEのみならず、他社の廃棄衣料などの応用も計画中。ファッション業界に欠かすことのできないトルソーの原材料に、廃棄されてきた服や生地を活用し、ファッションにおけるゼロ・ウェイストを目指しています。
オーガニックコットンを通して、社会の課題解決を。そう志してきたPRISTINEの25年目の挑戦です。
構成・文/有馬ゆえ
PRISTINE
●公式サイト