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はき古したら新品に交換!? ランニングシューズ界に、夢のサブスク!
はき古したら新品に交換!? ランニングシューズ界に、夢のサブスク!
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はき古したら新品に交換!? ランニングシューズ界に、夢のサブスク!

ランニングに欠かせないギアといえば、ランニングシューズ。好みのアイテムを購入、愛用しているうちにくたびれてきたら、ごみとして廃棄処分——。そんな流れに一石を投じるサービスが登場しました。スイスのスポーツブランド「On(オン)」が2022年10月18日より本格的にスタートさせた、ランニングシューズのサブスクリプションサービス「Cyclon(サイクロン)」です。

真っ白なカラーにもサステナブルな理由が!

「ランニングシューズのサブスク」とは何なのか? サービスを企画・運営するオン・ジャパンPRの前原靖子さんによると、Cyclonは、使用済みのシューズを100%リサイクルして、廃棄を出さずに新しいシューズをつくる「シューズ循環プロジェクト」だという。

「トウゴマという植物の種子から抽出されたヒマシ油を原料に素材をつくり、それをつかってシューズをつくりあげます。はき古したシューズは回収して、いったんヒマシ油に戻し、再びシューズにする。これを繰り返すことで、廃棄物を出さずに新しいシューズをつくることが可能になりました。シューズを回収しなければリサイクルが成立しないので、単にシューズを販売するだけではなく、サブスクを採用。Cyclonに登録すれば、どなたでもご利用いただます」(前原さん、以下同)

軽いはき心地、高いパフォーマンスを引き出すテクノロジーで人気の、Onのランニングスニーカー

Onはさまざまな機能を備えたランニングシューズが展開しているが、Cyclonで利用できるのはどんなシューズなのか。

「Cyclonに向けて開発されたシューズがCloudneo(クラウドネオ)です。100%リサイクルできる素材でつくられているというだけではなく、ランナーが高いパフォーマンスを発揮できることにもこだわっています。耐久性を増すために、接地で消耗しやすいミッドソールとアウトソールには、軽量でありながらタフで、柔軟性や高反発力などを備えたPebax(ぺバックス)という素材を使用。またOnの世界特許技術CloudTec(クラウドテック)の凸凹のミッドソールが着地時の衝撃を吸収し、反発を生み出します。足形プレートのSpeedboard(スピードボード)も、体重がかかるとしなって反発し、推進力を生みます。これらの相乗効果で、インターバルトレーニングなど急にスピードを出す動きにも最適。マラソンなど長距離走でも、力強い推進力で疲れた足をサポートしてくれます」

Cyclonで届けられるスニーカーCloudneoは、毎月3380円のサブスクスタイルで利用できる
 

Cloudneoはホワイト一色で、クリーンな印象。実は、これにも理由があるという。

「色がついていないほうが、リサイクルしやすいというのがひとつ。またスニーカーに着色した場合、着色後に大量の水で洗う作業が発生します。白なら、つくる課程での水量を最小限にできるのです。そこであえて色はつけず、白いシューズにしました。海外のOnのストアでも、白は男女問わず人気のカラーなので、お客さまのニーズにもマッチしていると考えています」

リサイクルの流れは、いたってシンプル。Cyclonに登録して新品のCloudneoを受け取ったら、以後は、おおよそ6ヵ月ごとに新しいシューズを申し込める(6ヵ月時点でシューズが古くなっていなければ、申し込みは後日、いつでもいい)。新しいシューズが届いたら、シューズが入っていた袋にはき古したシューズを入れてOnに返送。これを繰り返すことで、シューズ廃棄をなくし環境への負荷を減らせる。

「ランニングシューズは消耗品とはいえ、ごみとして処分することに抵抗がある方も多いと思います。Cyclonを利用していただければ、そうした罪悪感もなく、汚れたり古くなったりしたら取り替えて、フレッシュなシューズをはけます。シンプルなデザインなので、ランニングだけでなくウォーキングや通勤、通学にもつかっていただけます」

サスティナビリティとパフォーマンスの両立を実現したCloudoneo。どんなランコーデにもなじむデザインだ

サービスがスタートして約1ヵ月半。利用者の反応も上々だという。

「2020年にCyclonを公式発表後、翌年からサブスク登録の受けつけを開始。この1年半の間、当社のホームページやさまざまなメディアを通じてこの取り組みを知っていただき、登録者数が増えていきました。アメリカやヨーロッパでは日本より少し前の22年夏から、日本でも10月18日から、登録してくださったお客さまへのシューズのお届けがはじまっています。利用者からは『100%リサイクルのシューズと感じさせないぐらい、クッション性がいいし反発もしっかり得られる。パフォーマンスに妥協がないことを実感できた』と、うれしいフィードバックをいただきました」

廃棄物を出すことなくランニングを継続。人間にも環境にもやさしい新たなランスタイルだ

実物は、Onのフラッグシップストア「On Tokyo」で特別展示中。実際にはき心地やサイズ感を確かめられる。

「On Tokyoにお越しいただければ試着可能ですが、そうでなくても、最初に申告したサイズが足に合わなければサイズ交換できます。Onの多くのシューズはメンズがD幅、レディースがC幅で展開していますが、シューズによってアッパーの素材が異なり、はき心地も変わってきます。Cloudneoのアッパーは通気性のよいニット素材でできていますので、足幅が気になる男性ランナーでも問題なくはいていただいています。ぜひ、お試ください」

Onでは、さまざまなサステナブルな取り組みもおこなっている。

「パートナー企業との共同開発で、炭素排出物を原材料とした新しいサステナブルなフォーム素材CleanCloudを、2021年に発表。この素材でシューズのアウトソールをつくろうと試みています。この新技術で、石油ベースのシューズ開発から脱却し、単に商品を生産、販売するだけではなく、循環させることを追究していきます」

text:木下千寿

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