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きのこが世界を救う!?マシンガンズ滝沢&坂井きのこがSDGsイベント開催【後編】
きのこが世界を救う!?マシンガンズ滝沢&坂井きのこがSDGsイベント開催【後編】
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きのこが世界を救う!?マシンガンズ滝沢&坂井きのこがSDGsイベント開催【後編】

毎回「何か」に詳しいお笑い芸人をゲストに迎えて開催される、『マシンガンズ』滝沢秀一さん主催のイベント。きのこ大好き芸人こと『各駅マッシュ』坂井きのこさんを迎えた第2回目は、前編でレポートした「不法投棄」と「きのこのSDGs」がテーマでした。一見、何の関連もなさそうな、きのことSDGsですが、そこには世界を救いかねない(!)大きな可能性があるといいます。

代替肉として世界で存在感をアピール

滝沢さんによるトークイベント第1部のテーマは、「マシンガンズ滝沢と考える不法投棄問題」。滝沢さんは、ゲストのきのこ大好き芸人・坂井きのこさんと一緒に、不法投棄がいかに問題なのかを憤りつつ説明した。第2部は、坂井さんが愛してやまない「きのこ」のSDGsへのポテンシャルについてトークが繰り広げられた。

滝沢 今回のイベントに合わせて、きのこについていろいろ調べたんですよ。そうしたら、面白いね〜、きのこ。思ったよりもずっと、奥が深い。

坂井 面白いですよ! きのこの世界は科学者にとっても奥深すぎて、まだまだわかっていないことだらけなんです。

滝沢 これからする話は「科学的根拠に基づいた、たしかな話」というより、「そうなるかもしれない都市伝説的な話」として、話半分で聞いてください(笑)。

滝沢 まずは、食べものとしてのポテンシャルから。近年は、家畜の飼育が環境に大きな負荷をかけていることから、代替肉の市場がものすごく伸びています。木を伐採して畜舎をつくり、たくさんの飼料を与えて食肉用の牛や豚を育てる、という手法が見直されているわけです。さらにそれをファストフードの代表格・ハンバーガーなんかに加工して、大量につくっては廃棄している。日本だと「肉を食べない人」と聞くと「アレルギーなの? もしかして、意識が高い??」なんて感覚の人が多いけど、海外のパーティでは、動物性の食材をつかわないヴィーガン向けフードのコーナーが当たり前にありますからね。

坂井 そのぐらい一般に広がっていると。

滝沢 まさに。そこで、注目されているのが「肉の代わりのきのこ」だというんです。高タンパクで低コレステロール、しかもカロリーが超低い! きのこ由来の代替肉が、まさに破竹の勢いでシェアを伸ばしています。

坂井 しかも、きのこはおいしいですからね! やっと、時代がきのこに追いついてきた感じです。煮ても焼いても揚げてもおいしい。ちなみにめんつゆは、どんなきのこにも必ず合う素晴らしい調味料です。

滝沢さんはお笑いコンビ『マシンガンズ』のメンバーとしての活動のほか、ごみ清掃員としても活躍。ごみ問題や正しいごみの捨て方、そこから見えてくる社会問題などについて、さまざまなメディア、SNSで発言をしている

滝沢 しかも、きのこには繊維があるから、それを活用した布だったりプラスチックの代用品だったりがつくれる、という話もあるという。

坂井 化学繊維の代わりに、菌糸を活用するんですよね。

滝沢 そうやって、どんどんきのこのつかい方が進化してるんだよね〜。きのこ由来だから分解されて土に還るし、プラスチックやビニールがいらなくなるかもしれない。さらに! これが一番スゴイんだけど、きのこは産業廃棄物の処理に活用できるんじゃないか、というんです。

きのこがCO2排出を抑え、産廃を食べる!?

滝沢 2018年に「菌類の驚くべき事実」として、イギリスのBBCニュースで報じられたんだけど、数週間でプラスチックを分解したり、農産廃棄物をバイオエタノールに変換したりする菌類があることがわかったらしい。2万5000種類の植物や6万8000種類の動物が絶滅危惧種にリストアップされているなか、絶滅が危惧されている菌類はわずか56種類だって! きのこ、強すぎるだろう!

坂井 きのこをはじめとする菌類は、何億年も前から存在していますからね。氷河期も生き抜いています。ホントに繁殖力が強いんですよ! 

坂井さんのインスタグラムより。秋になると山に入り、「会いたいきのこに会いに行く」という

滝沢 動植物が住めないくらい、原発事故で汚染されたチェルノブイリにも、ある種の菌が繁殖しているといわれている。しかも放射線に向かって繁殖しているらしい。なんと、好んで食べて分解しているんですよ、放射能を! 世の中には、人間の力では無力化できない汚染物質ってたくさんある。きのこたちに頑張ってもらって、それらを分解してもらえるといいよね。たとえば「水銀の温度計がごみに紛れて、焼却炉に入っちゃった!」なんていうときには、清掃工場はすぐに炉の火を止めるんですよ。誤って燃やして水銀が大気に混ざって拡散したら、作業員の神経系がやられてしまう危険性がありますからね。水銀は消えてなくなるのではなく、循環する。きのこならそういう物質も、分解したり、吸収したりできちゃうかもしれないよ。

坂井 きっとできますよ。スゴいんですから、きのこは。さらに美容と健康にもいいですからね! 身近なところで言えば、しいたけのβグルカンはお肌のバリア機能を高めてくれるんですよ。細胞のガン化を防ぐ効果だってあるんです。

坂井さんは、日本が誇るきのこ王国・長野県出身。きのこ800種類の名前と毒の有無を語れるだけでなく、食用きのこのレシピにも詳しく、イベントやSNSなどで発信中だ

滝沢 しかも栽培法もサステナブル。菌類だから、農薬だってつかわないんだもんね。いま、農薬でミツバチがやられちゃって、農作物が受粉できないっていう問題が世界中で起こってるでしょう。

坂井 農薬をつかったら、菌類、きのこは育たないですからね。むしろ死んでしまいます。

滝沢 今回のイベントで、初めてきのこのポテンシャルを知ったよ。ホント、スゴいんだねえ。そもそもきのこは「森の分解者」として、豊かな森を守ってるんだもんな。

坂井 そうなんですよ! きのこは、まだまだわかってないことだらけ。でもいまの技術があれば、いろいろ解明されると思うんです。研究されている方はいらっしゃるんですが、予算が足りない。お金をかけて研究すれば、きのこのさらなる能力がきっとわかるはずなんです。きのこは地球を救う! いま日本に必要なのは、「きのこ予算」です!

滝沢 ホント、冗談でなくそうなのかもね。みんなで、もっと山を、きのこを大切にしましょう!

――前編「不法投棄」の記事はこちら――

text:萩原はるな

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