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海への想いをつなぐ湘南発の地域通貨「ビーチマネー」
海への想いをつなぐ湘南発の地域通貨「ビーチマネー」
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海への想いをつなぐ湘南発の地域通貨「ビーチマネー」

神奈川・湘南の海辺からスタートした、海をきれいにする地域通貨「ビーチマネー」。目指すのは、世界中の海をきれいにすること。ビーチマネーがつなぐ南伊豆、下田の海辺を訪ねました。

ビーチマネーが巡る海辺の町
目指すのは、地域内の循環

ビーチグラスを知っていますか? 海岸に落ちているガラス片で、長い年月をかけて波に揉まれて角の丸い小片となり、曇りガラスのような風合いになったもの。もともとはガラス瓶などの破片、つまりごみなのだけれど、水に濡れるとまるで宝石のようにキラキラと輝き、海の宝石とも呼ばれている。

「ビーチマネー」が誕生したのは2007年。ビーチクリーンで海岸に落ちているごみを拾うときに見つけたビーチグラス。それを加盟店へ持っていくと、さまざまなサービスが受けられるという、湘南地域の地域通貨としてはじまったプロジェクトだ。

「キッカケは『海のごみ拾いをしてくれてありがとう』という感謝の気持ちを伝えたいとの思いから。ごみがお金になるというユニークなアイデアが注目されて、活動に賛同する人たちが次々に現れ、2020年11月までに加盟するビーチマネーショップは全国181店舗まで増えました。海を越えて、台湾やハワイにも活動は広がっています」と、ビーチマネー運営事務局代表を務める堀直也さん。

10年前に静岡県の南伊豆町に移住したことをキッカケに地元の人たちと交流を重ねながら、弓ヶ浜や白浜の海辺を拠点に活動を続けている。古き良き時代の物々交換のような、気持ちの交流を助けるコミュニケーションツールとして、ビーチマネーは海を愛する人たちの想いを形にしてつながれている。

「ビーチグラスは川の上流から流されてきます。波には同じ重さ、同じ形のものを同じ場所へ運ぶ性質があるので、ビーチグラスは小石や砂利の多い磯浜に落ちていることが多いんですよ」

堀さんからビーチグラス探しのコツを聞きながら、地元のビーチマネーショップを巡る。

代々続く伊勢海老漁師の「ダイゴ丸」平山文敏さん。「まだ利用者はいないので、持ってきてくれるだけでもうれしい!」

伊勢海老漁にかかった磯魚と交換してくれる、「ダイゴ丸」漁師の平山文敏さん。

ブダイやカサゴなど漁に応じて日替わり

漁の網にかかった未利用魚をビーチマネーと交換してくれる。

伊豆下田にあるカレーが人気のカフェ。「地元の海をきれいにしてくれたお礼に」と、ジュース類などランチのドリンクを1杯サービス

ノブさんの愛称で親しまれる、カレーが人気のカフェ「SpiceDog」のオーナーの齋藤信義さんはベテランサーファー。

地元の海をキレイにしてくれてありがとう、という感謝の気持ちを込めてランチのドリンクを1杯サービス。

プロサーファーの今村厚さんが営むサーフショップ。店内ではおいしいドリップコーヒーを楽しめるほか、初心者向けのサーフレッスンも開催

サーフショップ「IRIE coffee&sea」を営むプロサーファーの今村厚さんは、堀さんの活動を知り、すっかりビーチグラスにハマってしまった一人だ。

「この赤と黄色のやつは結構レアでしょ」「ビーチグラスがたくさん拾える秘密のスポットを見つけたんだよね。大事なのは潮回りだね」と、まるで宝物を抱えるように箱いっぱいのビーチグラスを見せてくれた。

厚さんはサーフィンスクールに参加してくれた子どもたちにお土産としてもプレゼントしているそう。「メモリー&ビーチマネー。次に彼らがごみを拾うきっかけになればうれしいからね」と目尻を下げる。

相馬一彦さんが営む伊豆白浜海岸の高台にある貸別荘コテージスタイルの宿泊施設。BBQ場などを併設

「お店にたまったビーチマネーは、そこで働くスタッフたちにも他の加盟店で使ってもらい、地域内で循環していくのが理想。とはいえ、みんな遠慮してなかなか地元で使いづらい現状もある」と、堀さん。最後に訪ねた「ヴィラ白浜」でそんな話をしていると、「じゃあ僕もビーチマネーをためて、今度厚さんのお店に交換に行こうかな」とオーナーの相馬一彦さん。

「いつか自分が使ったビーチマネーが巡り巡って、自分の手元に戻ってきたらすごく感動するよね。なんだかビーチマネーのわらしべ長者みたいだね」(相馬さん)

ビーチマネー運営事務局

2007年4月、湘南の42軒から始まったビーチマネー。今回紹介したビーチマネーショップ他全国の加盟店はHPをチェック。生分解する洗濯用洗剤「All things in Nature」の売り上げの一部がビーチマネーの活動費として寄付されている。https://beachmoney.jp

●情報は、FRaU SDGs MOOK Money発売時点のものです(2020年11月)。
Photo:Kiichi Fukuda Text & Edit:Chisa Nishinoiri
Composition:林愛子

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