カフェ大国・韓国に登場した「食べていいストロー」
海を守る、持続可能な社会への方法は、いろいろあっていい――。各国のユニークな取り組みからは、文化の違いも見えてきます。今回は、韓国で誕生した食べられるストローと、イギリス発のペットボトルフリーの動きをご紹介します。
【韓国】米とタピオカが原料の
食べられるストロー
カフェ大国として知られ、年間100億本ものプラスチックストローが消費されていた韓国。近年は脱プラスチックへの取り組みが急速に進み、スターバックスをはじめとした飲食店が紙製を導入している。
そんななか登場したのが、米とタピオカでつくられた食べられるストローだ。紙製ストローであっても表面のコーティングにはプラスチックが使用されているものも多いが、こちらは100%天然素材。アイスドリンクでは数時間ふやけることなく使用でき、廃棄しても150日以内に自然分解される。
靴の製造業を営むキム・グァンピル氏が海藻でできたカップからヒントを得て開発し、発売から約1年で日本を含む世界30ヵ国以上の企業と輸出契約を締結。
韓国ではヒルトンなどの主要ホテルほか約500店舗で使用されている。フォークやスプーンなどの新商品も開発中で、今後は航空業界にも販路を広げていくという。
【英国】ロンドンには
マイボトルを忘れずに!
「#OneLess(1本少なく)」と名づけられたキャンペーンは、使い捨てペットボトル入り飲料水の使用を減らし、海を守るため、ロンドン市内の主要な場所に給水機を設置するというもの。もちろん、使用は無料。ロンドン動物学会(ZSL)が中心となり、市長も支援している。この給水機は2018年から設置され、その後1年で500mlペットボトル約16万本相当の水が、人々のマイボトルにリフィルされた。ロンドン以外に、パリ(ガス入りの水も!)や東京(国際フォーラム前)にも給水機が置かれ、ペットボトルフリーの動きは、どんどん世界に広がっている。
www.onelessbottle.org
●情報は、FRaU SDGs MOOK OCEAN発売時点のものです(2019年10月)。
Coordination:Yumiko Nakanishi Text:Reiko Fujita Text & Edit:Asuka Ochi
Composition:林愛子