ナチスに抵抗した若き女性活動家がSNSに!?
国や地域によって違う、世界のジェンダーとダイバーシティ。さまざまな取り組みのなかから、今回は、ドイツの事例をピックアップ。
生誕100年!もしゾフィーが
現代に生きていたら……
ミュンヘンの大学生が集まって非暴力でナチスに抗い、反対運動のビラを配った「白バラ抵抗運動」の主要メンバー、ゾフィー・ショル。兄ハンスとともに、21歳という若さで処刑された彼女の勇気と信念は、戦後のドイツに大きな影響を与えた。
ルートヴィヒ・マクシミリアン大学には財団が設立され、彼女の名前がつけられた広場や通りも。2021年5月9日にはゾフィー生誕100年を迎えた。各地で特別展が開催され、書店には白バラ関連本が平積みになるなど、追悼の輪が広がった。
なかでも注目されていたのが、南西ドイツ放送とバイエルン放送によるインスタグラム・プロジェクト「@ichbinsophiescholl(私はゾフィー・ショル)」。俳優を起用しての動画など、マルチメディアで当時のゾフィーを現代とリンクさせ、若い世代に向けた宗教、ジェンダー、出身にとらわれない発信をつづけている。
彼女の「日常」をSNS発信することにより親近感が増し、2021年5月のスタートから1ヵ月でフォロワー数も100万に迫った。ゾフィーはいまもドイツ人にとって国民的アイコンなのだ。
www.instagram.com/ichbinsophiescholl
●情報は、FRaU2021年8月号発売時点のものです。
Text:Yumiko Urae Edit:Asuka Ochi