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スキー離れをストップさせる長野県白馬村「Hakuba Valley」の“10ゲレンデホッピング作戦”
スキー離れをストップさせる長野県白馬村「Hakuba Valley」の“10ゲレンデホッピング作戦”
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スキー離れをストップさせる長野県白馬村「Hakuba Valley」の“10ゲレンデホッピング作戦”

長野県北西部、標高3000m級の山脈が広がる北アルプスのふもとに位置する「Hakuba Valley(ハクババレー)」(以下、ハクバ)。大町市、白馬村、小谷村の3市村にまたがり、個性豊かな10のスキー場からなる日本最大の国際山岳リゾートです。日本のスキー場が気候変動による雪不足、施設老朽化などで過去最少の417ヵ所に減っているいま、2024〜25シーズンの総来場者数186.5万人、前年対比112%と、なぜハクバは堅調に伸びているのでしょうか?

車も道具もなくてOK! 山から山へ、気軽にゲレンデ横断

スキーブーム最盛期ともいわれる1993年は、交通インフラの整備と映画『私をスキーに連れてって」の大ヒットで、スキー人口が1860万人に膨れ上がった。その後、スノーボードブームなどもあったが、近年は、費用も時間もかかるウィンタースポーツから遠ざかる人が増え、経営難に陥るスキー場は後を絶たない。

その一方で、売上げを伸ばしているのが、北海道のニセコなどと並んで良質なパウダースノーが楽しめるハクバエリア。北アルプスに連なる個性豊かな10のゲレンデを、1枚のリフト券で自由にめぐれる「Hakuba Valley全山共通リフト券」が大いに当たっているのだ。

こちらのリフト券を買えば、各スキー場のリフト券売り場に並ぶことなく直接リフトに乗れる。10のスキー場間を運行するシャトルバス(共通リフト券があれば無料)もあるから、車がなくてもまったく問題なし。地形もコースの雰囲気も、売店の魅力もまったく異なるスキー場を、そのときの気分や自分のスキーレベルで選ぶ「マウンテンホッピング」が楽しめるとあって、国内はおろか海外からのスキーヤーやスノーボーダーに大人気なのだ。

スキー道具一式をレンタルできるショップ「SPICY(スパイシー)」は主要エリアに複数あり、あるスパイシーで借りたウェアやギアを、別のスパイシーに返すなんてことも可能。スキー、スノーボードはもちろんのこと、バックカントリーのアイテムまで借りられるのがうれしい。

 「白馬岩岳マウンテンリゾート」の山頂に出店する「Soup Stock Tokyo」。ここでは信州産しめじとエリンギが入った白馬店限定のボルシチが味わえる

「ゲレ飯(ゲレンデの食事)は高くてマズい」という定説をくつがえしたことも大きい。たとえばハクバのなかの「白馬岩岳マウンテンリゾート」には、頂上のレストランに食事目的で訪れる若者も多いほどだ。ここでしか食べられないフードやスイーツ、限定メニューを、スキーウェアではなく普段着で味わっている人びとの姿は新鮮だ。

スキーウェアではなく普段着で注文の列に並ぶ人の姿も見られる「THE CITY BARKERY」。パンやコーヒーを購入し、奥の絶景テラスでくつろぐ

環境にコミットしたい!100%再生可能エネルギーへ転換

さて、スキー場は人工降雪機やリフトを稼働させることなどで多くのCO2を排出するし、多くの電力もつかう。ここに着目したハクバのスキー場は、ゴンドラやリフト、レストラン、降雪機の使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替え中だ。ゲレンデの照明はLEDにするなどしている。

さらに、各スキー場のスタッフが勉強会を開き、気候変動の現状を把握して、地域内での知識を共有している。電力や燃料の使用量を記載すると自動的にCO2排出量が導ける「CO2排出量計算シート」で各施設が算出を行ない、互いに状況を把握することも忘れない。個々のスキー場の問題を「地域で取り組むべき案件」として捉えているのだ。

以前は、雪解けとともに来訪者がめっきりと減り、夏は閑散とするのが白馬エリアだった。しかし、標高3000mの北アルプスにリフトで登れる夏山登山は他にはない強み。そこで、グリーンシーズンの営業に力を入れるべく、夏限定のグランピング施設の開設やマウンテンバイクパーク、アスレチック、パターゴルフなどアクティビティを充実させることで、年間通して白馬が活況になることを地域全体で目指している。

Photo & Text:Tokiko Nitta

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