台湾の高層ビルの中に「食べものの森」出現!
SDGsという目標が掲げられたことで、問題意識は世界中へ拡散! 各国でさまざまなプロジェクトが立ち上がり、賛同した市民が動き出しています。社会を変えるのは身の回りから。小さくも偉大な、その一歩を紹介します。今回は、台湾の取り組みをピックアップ!
自然の循環システムに学ぶ、
都市につくられた食育の森
台湾北部の街、新竹の中央にある自然豊かな広場。ただの公園かと思いきや、そこには、たわわに実をならせたバナナや、みずみずしい野菜たちが。どれも実際に食べられるものばかりだ。
この「森」を運営するのは、都市部の緑化を推進する環境ボランティア団体、梧桐基金會。2014年にアメリカ・シアトルで実践されている「ビーコン・フード・フォレスト」を訪ね、その思想に感銘を受けた彼らが、同じく2014年から活動を始めた。
「フード・フォレスト=食べものの森」とは、パーマカルチャーから生まれた考え方。自然の森では、実のなる木がバランスよく共存し、鳥や虫がいることで特定の害虫が大量発生することもなく、その糞は木々の栄養となる。生命の循環によって、食料となる実や葉が自ずと育つのだ。
フード・フォレストは、その仕組みに学ぼうというカリキュラムで、都心に暮らす人々への食育の場となっている。現在はボランティアチームが手をかけて育てているが、ゆくゆくは森林の循環システムに沿って都心でも自ずと果実や野菜が育ち、人間と自然が共存できるようになるのが目標だ。
FOOD FOREST www.facebook.com/TaiwanFoodForest
●情報は、FRaU2019年1月号発売時点のものです。
Coordinate:Machiko Suzuki Text: Yuka Uchida Edit:Yuka Uchida