都会にオアシスをつくれる植栽法「宮脇方式」とは
待ったなしの環境問題に対して、世界はどのように行動しているのでしょうか。海や森の汚染問題、カーボンニュートラル、プラスチック、リデュースとリサイクルなど、さまざまな問題への国内外の最新の解決策から、未来へのヒントを見つけたいと思います。今回は、日本初の植栽法を用いたインドの森づくりサービスをご紹介。
日本の「宮脇方式」で
失われた森を取り戻す
植物生態学者の宮脇昭が生み出した多種類混植などの植栽法「宮脇方式」。いまではインドでも各地で行われているが、それを広めた人物がシュベンドゥ・シャルマだ。彼はインドのトヨタ工場でエンジニアとして働いていたころ、工場の敷地内に森をつくるプロジェクトで訪れた宮脇と出会い、ボランティアとして参加。その後、2011年に森づくりサービスを提供する〈Afforestt〉を設立して研究を重ね、これまで多くの森づくりに貢献してきた。
宮脇方式は従来の植林より、10倍の速さで成長させることができ、30倍の密度、100倍の生物多様性を持つ。また単一種の植林と比較して、CO2の吸収が30倍にもなるという。2年もすれば樹木は立派に育ち、都会にオアシスをつく作れる。サイトでは、森づくりの基本的なメソッドがわかる資料をオープンソースとして公開している。
●情報は、FRaU2022年1月号発売時点のものです。
Text:Yumiko Nakanishi Edit:Asuka Ochi