「森に住む音楽家」OLAibiが見つけた自然を邪魔しない暮らし方
職業や肩書き、場所にとらわれず、どうやって働き、どうやって生きるのか。いま、選択肢は広がりつつあります。自分に合う働き方を見つけた方々に聞く、“新しい働き方”のヒント集。今回は、音楽家のOLAibiさんを紹介します。
鳥取県・大山の麓に移り住んで
音楽家のOLAibiさんが鳥取県・大山の麓の森の中に移り住んだのは8年ほど前。手つかずの森を切り開き、小屋を建て、すべて自分たちの手で暮らしを整えてきた。ここでは「生活の一直線上に音楽がある」とOLAibiさんは言う。
「森では、寒い季節は音楽をつくる前に暖を取らなければなりません。そのためには薪割りをしなければならないし、薪を割るには前の春に薪を用意しておく必要がある。気持ちよく何かをつくるための時間のかけようが違うんです。便利に過ごせる都会のなかで、持てる時間をどうつかうかはその人次第。時間のつかい方って想像力だと思うから」
森での暮らし=“感性に従ったスローライフ”なんて単純なことではない、とも。
「ここでの暮らしが長くなるほど自然への畏敬の念は強まるばかり。自然は、人間と共生したいなんて思っていないんだな、と思い知らされます。それを分かったうえで、自然を邪魔せず人間はどうすべきかを考え続けることが、住まわせてもらっている森への責任だと思うんです」
●情報は、FRaU SDGs MOOK WORK発売時点のものです(2021年4月)。
Text:Chisa Nishinoiri Edit:Chihiro Kurimoto
Composition:林愛子
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