サステナブルをより若い世代に広げたい! imperfect×青山学院大学フェアトレードラボのプロジェクト
2023年秋、imperfectと青山学院大学フェアトレードラボのコラボによってうまれたドリンク「ハニーナッツナッツタルトラテ」。ラボに所属する学生たちが企画し、試飲を重ね、開発やPR活動にもチャレンジ! 「売れるドリンク」をつくるだけでなく、より若い世代にもimperfectの取り組みを広めるというミッションのもと、実践的なインターンシップに挑戦しました。
コンセプトは「飲めるナッツタルト」
「たとえ不完全な取り組みだとしても、自分たちでできることから、少しでも世界と社会をよくしていこう」という想いから生まれたカフェ、「imperfect(=不完全)」。食や農業を取り巻く、さまざまな社会問題の不完全さもテーマに掲げています。
imperfectでは、サステナブルな取り組みについて、若い世代にも広く興味をもってもらいたいという想いから、2022年に青山学院大学 総合文化政策学部のフェアトレードラボとのコラボをスタート。学生と交流し、連携しながら新商品を開発・販売することで、これからの世界や社会を担う世代を応援したいと考えています。2回目となる2023年には「ハニーナッツナッツタルトラテ」を開発、10月に期間限定で販売しました。
フェアトレードラボは、フェアトレードの普及を目指し、さまざまな活動を展開。今回のプロジェクトで学生7人のリーダーを務めた伊勢侑一郎さんは、同大学の3年生です。「imperfectのコンセプトを聞いて、強く興味を惹かれました。学校から近いのも、いいですね」と、参加を決意したそう。
「まだまだ日本では、『サステナブルな製品』の看板だけで勝負するのは難しい。カフェのお客さんの投票によって遂行プロジェクトを決めるimperfectの取り組みを知り、『自然な流れで、消費者がサスティナビリティに興味がもてる仕組みになっている!』と感動しました」(伊勢さん)
試作を重ね、学生たち若者にも“刺さる”ドリンクの開発に挑む伊勢さん(写真右)
商品開発は、マーケティングからスタート。「学生などZ世代を中心に、幅広い層にフェアトレードやサステナブルを知ってもらう」ことをテーマに据え、どんなターゲットにどのような商品を届けるか話し合いをおこないました。
「どんな価値を提案するといいんだろう?」
「学生はみんな、オシャレを楽しみたいよね」
「でも、お金に困っている人が多いよ」
「『映え』も大切!」
「試してみたくなる話題性がほしいよね」
など、さまざまな意見が飛び交いました。「飲んでいくうちに、見た目が変化していくドリンクがいい!」と盛り上がったものの、形にするのは難しいことも判明。最終的にトライすることになったのは、「飲めるナッツタルト」でした。
さまざまなアイデアを経て完成した「飲めるナッツタルト」。ハニーオレンジとグラノーラの食感が楽しいラテで、隠れたブラウニーがタルト感を演出。サステナブルなナッツを使用していて、価格は800円(税込み、現在は販売を終了しています)
学生もimperfectも、多くの学びを得たコラボ
商品完成後のプロモーションも、大事なプロセス。SNSを活用すること、商品認知度アップのために、インフルエンサーにも宣伝してもらうことなどを決めました。さらに、開発した学生たちのメッセージカードを添え、自分たちの意見や想いを発信することに。
「『お客さんはどんな気持ちで飲むのかな?』『何を考えているんだろう』などと想像しながら、ポップや看板、フェアトレードのことを学べるメッセージカードなどを制作しました。システマチックにプロモーションをおこない、『若い人が買ってくれているよ!』と聞いたときには、達成感を味わえました。とはいえ、狙いどおりにいかなかった部分も多く、とくに売上げ目標達成の難しさを痛感しましたね」(伊勢さん)
プロジェクトに参加した2年生の今泉幸輝さんと髙橋優乃さんも、プロモーションに苦労したそう。
「4月から進めていた商品開発と並行して、もう少し早くプロモーションの準備も進めておくべきでした。スタートがもっと早ければ、よりスムーズにプロモーションが展開できたと反省しています。でも、友だちが『おいしい』 『味と食感が楽しい』などと言ってくれたときは、とてもうれしかったです」(今泉さん)
「思った以上にナッツタルトに近づけられたと思います! ただ、インフルエンサーの協力がうまく取りつけられなかったり、学校内でチラシを配れなかったりと、やりたかったことと、実際できたことにギャップがあって……。少しもどかしさも残りました」(髙橋さん)
試作品が完成してプロモーション計画を練り上げ、imperfect代表の佐伯美紗子(写真左端)にプレゼンテーションをする学生たち
苦労を重ねながらも発売にこぎつけ、プロモーションまで経験。学生たちにとってよいインターンシップ経験となり、多くの学びがあったようです。
「立ち上がりから販売までの7ヵ月間で、伝えることの大切さと難しさを痛感しました」(今泉さん)
「自分たちが工夫してつくったものが、誰かのところに届く。さらに『おいしい』と言ってもらえる喜びは、想像以上に大きいものでした」(髙橋さん)
学生たちがプロモーションに活用したのは、彼らの生活に身近なSNS。「いつもスマホで見ているので、どうアピールするかは考えやすかった。アイデアも活発に出ました」(今泉さん)
リーダーを務めた伊勢さんは、この経験によって商品開発の楽しさや食の重要性を実感し、食品メーカーに入社したいとの希望が高まったそう。メンバーの今泉さんは、あらたな知識を得ることで、自ら行動することの重要性を知ったと教えてくれました。
サステナブルやフェアトレードに関する知識を、より多くの人々に共有してもらいたいとスタートしたこのプロジェクト。今後、サステナブルな活動を担っていく若い皆さんと思いをひとつにすることで、彼らの糧になっていけたら……。
imperfectは今後も、こうした次世代との取り組みを、さまざまなカタチで展開していきます。