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フードロス(食料廃棄)を減らすには。出来ることからやろう【前編】by Wakana Kawahito
フードロス(食料廃棄)を減らすには。出来ることからやろう【前編】by Wakana Kawahito
COLUMN

フードロス(食料廃棄)を減らすには。出来ることからやろう【前編】by Wakana Kawahito

世界のサステナブルを紹介するfrom the WORLD。フランスからはニース在住の川人わかなさんがリポートします。

後編はこちら

フードロス問題解決のためにできること

今年の9月29日に2回目の「食料ロス・廃棄啓発のための国際デー」が開催されました。皆さんはフードロス問題で何か取り組んでいることはありますか?食べきれなかった食材の冷凍保存や余った食材を工夫して料理するなど、すでにやっていることもあるかもしれません。

フランス政府は2025年までに食料廃棄量を2015年の値から50%減らすという目標を掲げています。そのために、家庭だけではなく、生産者、スーパーマーケットなどの大手小売業、給食、レストランなどの事業者レベルでも食料廃棄に対する施策が行われるようになりました。たとえば、近年、ドライフルーツや小麦粉、お米など、これまではパッケージで売られていたものを量り売りするお店が増えてきています。量り売りだけの専門店から、カルフールやモノプリといった大手スーパーマーケットの一角が量り売りになっている場合も。量り売りは、包装が無いのでプラスティックゴミを出さないという観点と、必要な分だけ購入できるので余剰な食材の廃棄を防ぐという観点の両方から利点があります。ほかにもさまざまな取り組みが行われており、そのうちのいくつかをご紹介します。

行政規模でドギーバッグを習慣化させる

ドギーバッグはアメリカ発祥であり、フランスやヨーロッパではあまり一般化されていません。しかしフードロス対策の一つとして、2021年7月からニース市では、お客さんが望む場合にドギーバッグを提供することが義務化されました。 それに際して、ニース市はドギーバッグ用の容器や袋を飲食店に5000個無料提供し、この試みを市民へ告知しました。これまでフランスではドギーバッグの習慣が無かったため、定着するには少し時間が必要かもしれませんが、食べ物だけではなく飲み物も持ち帰れるので、飲みたいワインがあるけれど量が多いかも…という場合にも頼みやすくなりました。ボトルで頼んで飲みきれなくても無駄にならず、お店側もボトルで注文してもらう方が売り上げがあがるので嬉しい。このようなWin-Winの取り組みは今後広まってほしいと思います。

食材マッチングアプリToo Good To Go

フードロスをデジタルで解決する手段の一つが「Too Good To Go」。フードロスと販売ロスを防ぎたいお店を消費者とマッチングするアプリです。お店はその日に残っているもの をアプリ上で格安で販売することができますし、廃棄の費用もかかりません。消費者は安く商品を購入できるので、どちらにとっても嬉しいシステムです。徒歩圏内のお店が対象なので住んでいる場所にもよりますが、パンやサンドイッチ、サラダなどが半額以下に。しかも店頭では割引販売の表示がないため、アプリを使っている人限定のお得感があります。閉店ギリギリまで何が出るのかがわからないので、欲しいものがあればラッキーといった楽しみも。帰宅途中に寄れば時間も無駄にならず、フードロスにも貢献できてお財布にも優しいのです。

Copyright © Too Good To Go International. All Rights Reserved.
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【後編】は中央卸売市場のフード ロスを解決する仕組みや、賞味期限切れのものを上手く活用するNPO法人について紹介します。

参考:フランス農林水産省
https://agriculture.gouv.fr/lutte-contre-le-gaspillage-alimentaire

川人わかな
Written by
川人わかな/ライター・コーディネイター

フランス・ニース在住。東京にて編集者として勤務後、2011年に渡仏。フランスを拠点に取材場所はヨーロッパ全域に亘る。主なテーマは、サステナビリティ、食、アートなどのライフスタイル。ウェブサイトや広告、TVの撮影コーディネイトも手がける。著書『世界の夢のパン屋さん』(エクスナレッジ)

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