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[from Nice]バカンスは心の栄養。フランス人は、サステナブルにバカンスを楽しむ【後編】by Wakana Kawahito
[from Nice]バカンスは心の栄養。フランス人は、サステナブルにバカンスを楽しむ【後編】by Wakana Kawahito
COLUMN

[from Nice]バカンスは心の栄養。フランス人は、サステナブルにバカンスを楽しむ【後編】by Wakana Kawahito

世界のサステナブルを紹介するfrom the WORLD。フランスからはニース在住の川人わかなさんがリポートします。(前編を読む)

子どもとじっくり過ごす家族時間

バカンス大国のフランスは、多くの人が夏に3~4週間の休みを取りますが、もちろん職場のシフトや職種によっては連続して休めないこともあります。その場合、子どもがいるとさらに事情が変わります。学校の夏休みが2ヶ月もあるため、そのうち1ヶ月を祖父母の家に送るかコロニーと呼ばれる林間学校または学童に入れ、親がそれぞれ休みを交代で取り、残りの2週間を家族全員で過ごす、というのが一般的でしょうか。有休が5週間もあるのは学校の休暇期間に親が子どもの面倒を見られるようにする、という事情もあります。忙しくて普段はなかなか子どもとゆっくり過ごせない親にとっては家族との貴重な時間ですし、子どもにとっても夏休みは特別な思い出になります。別荘を持っていて毎年同じ場所に行く場合、夏限定の友達ができて、それが一生の友になることも。そうやって、日常とは別の場所でできる人間関係も貴重な財産です。

おしゃれなエコホテルが人気

家やアパートに滞在してバカンスを過ごすことの多いフランス人ですが、もちろんホテルに泊まることもあります。なかでも、最近はツリーハウスやエコロッジなどのエコホテルが人気です。アグリツーリズムなどのファーム体験ができるような宿から、星付きホテルのようなリュクスな場所まで、エコホテルの種類も豊富になり、好みや目的に合わせて選べるようになってきました。最新のエコホテルは、オーガニック食材を使った料理が供されるのはもちろんのこと、建物自体にサステナブルな建築方法が用いられ、雨水を利用した天然のシャワーやナチュラルプールなどの設備もあります。ナチュラルプールとは、池のような状態を作り出し、動物プランクトンと水草たちの力を借りつつ浄化ポンプで水質を安定させる仕組みのこと。自然環境の循環システムを模倣しており、塩素を使わないので環境にも肌にも良いとされています。せっかくの休暇ならば、環境に良い場所で過ごしてデトックスしたいですよね。しかも、おしゃれで本格的なホテルが多くなってきているのが嬉しいところです。

自分を労わるサステナブルな生き方

実はフランスは日本以上に効率が求められる国。役所や行政の仕事が非常に遅いので矛盾しているようですが、労働時間が週35時間制であるがゆえに、決まった時間内に効率よく仕事をこなさないと業務が終わりません。決められた時間内はめいっぱい効率的に働き、オフに仕事は持ち込まないのが多くのフランス人の労働スタイル。フランス人はオンオフの切り替えを大事にしており、バカンスでリセットすることでエネルギーチャージをし、また1年を乗り切るのです。

川人わかな
Written by
川人わかな/ライター・コーディネイター

フランス・ニース在住。東京にて編集者として勤務後、2011年に渡仏。フランスを拠点に取材場所はヨーロッパ全域に亘る。主なテーマは、サステナビリティ、食、アートなどのライフスタイル。ウェブサイトや広告、TVの撮影コーディネイトも手がける。著書『世界の夢のパン屋さん』(エクスナレッジ)

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