モデル・菊池亜希子「買ってよかった地球にやさしいもの」
「買い物は投票だ」といいますが、何をどう選ぶのか基準は人それぞれ。気になるあの人は、どんな視点で選択するのでしょうか。モデルの菊池亜希子さんに、2022年、買ってよかったものを聞きました。
家族の一員のような気持ちで
責任を持って迎え入れる
「スキってなったら、責任を持って引き受ける気持ちでお買い物をしています」と、菊池亜希子さん。「サステナブル」という言葉を知ったのは、大学生のとき。
「建築、都市、街並みのデザインを(ハード面もソフト面も)学んだことは、自分の考えが持続可能なものかどうか、シンプルに、長く愛されるものであるかどうか、という視点を持つきっかけになったと思います」
買い物は「賛成」「イイネ!」という意思表示のひとつとの信念のもと、何を選んで、どんなつくり手にお金を払うかを考えているという。そんな菊池さんが最近買ってよかったものは、裁断クズからアップサイクルした「UpcycleLino」のデニムセットアップと、旅する八百屋「青果ミコト屋」が日本中で出合った食材を使用してつくっている「KIKI NATURAL ICECREAM」のアイスクリーム、木製ビーズをつかったハンドメイドの「UPBEADS」の携帯ストラップ。
「買い物をするときは、末長く、家族の一員として迎えるような気持ち。あとはつくられている背景に共感できるかどうかを重視します。自分だけではなくて、社会全体が気持ちいいものになるような買い物をしたいなと、最近とくに思います」
UpcycleLinoの
デニムセットアップ
地球にやさしい天然素材をコンセプトに服づくりを行うnest Robeのアップサイクルシリーズ。
「洋服の裁断クズを糸にして再び洋服を作る、サステナブルな取り組みに注目しています。違和感なく日常のワードローブに溶け込んでくれるところも頼もしい」
KIKI NATURAL ICECREAMの
アイスクリーム
規格外で弾かれたり、ロスになったりした作物を積極的に使用するクラフトアイス。
「その取り組みに、おいしいアイスを食べる人として参加できるなんて、こんな素敵なことはないなと思い、せっせと食べています。ピンクペッパーとローズ、ケールと和ハッカなど素材の組み合わせが絶妙で、食べていてワクワクします」
UPBEADSの
携帯ストラップ
ドイツ・ハンブルクで、環境にやさしいものづくりをしている携帯電話用チェーンのブランド。FSC認証を取得した木製ビーズをつかってハンドメイドされる。
「ストラップが1本売れるごとに1本植林されるそう。ナチュラル、ホワイト、レッドの3色を持っていて、洋服に合わせて替えています。ホワイトを一番よく使います」
PROFILE
菊池亜希子 きくち・あきこ
モデルデビュー後、俳優として映画、ドラマ、舞台、CMに出演する一方、エッセイやイラストなど多方面で活躍。編集長を務めた『菊池亜希子ムック マッシュ』(小学館)のほか、著書に『へそまがり』(宝島社)、『好きよ、喫茶店』(マガジンハウス)など。
●情報は、FRaU2023年1月号発売時点のものです。
Illustration:Takashi Nakamura Text & Edit:Chihiro Kurimoto
Composition:林愛子