劔樹人「固定概念に縛られない父でありたいから、ピンクを着る」
近年、ジェンダーやダイバーシティへの認識が急速に変わりつつあります。それは、これまで声を上げてきた人の存在があったから。ミュージシャンでマンガ家の劔樹人さんが、アクションを起こすようになったきっかけとは?
「男の子がピンク好きでもいいんだよ」
ジェンダーバイアスに縛られないでほしい
「ピンク大好きな娘がついに『ピンクは女の子しかダメなんだよ』と言い出しました。巷にあふれるジェンダーバイアスに幼児はもろに影響を受ける。なので、『男の子がピンク好きでもいいんだよ』と伝えるため、私は保育園の送り迎えや家でしばらくピンクばかり着ることにしました」。2020年11月、ミュージシャンでマンガ家の劔樹人さんがTwitterで発信した内容に、6万件以上の「いいね」が寄せられた。
「ジェンダーに対する意識は、娘が生まれたときに大きく変わりました。この子が今後、女性であることが原因で苦しむことがあるのか? と考えたときに、自分の中に意識せず存在していた女性蔑視と向き合うことを決めました。娘にはなるべく固定観念を押しつけないように接しています。妻(エッセイストの犬山紙子さん)もよく勉強しているので、2人で情報交換することも多いです。これからも当たり前に、固定観念に縛られない父親でいたいと思っています」
PROFILE
劔樹人 つるぎ・みきと
ミュージシャン・マンガ家。あらかじめ決められた恋人たちへ、和田彩花等のバンドでベースを担当する傍ら、マンガ家としても活動。『あの頃。男子かしまし物語』(イースト・プレス)は2021年に松坂桃李さん主演で映画化。
●情報は、FRaU2021年8月号発売時点のものです。
Text & Edit:Chihiro Kurimoto
Composition:林愛子