食用コオロギの食品ブランド「C. TRIA」を開発。タンパク質危機の回避と食品ロスの解決を目指す「グリラス」
将来的な食料危機の救世主として、FAO(国際連合食糧農業機関)にも推奨されている昆虫食。「グリラス」は、食用コオロギを、食品ロスを循環させる新たな食品“サーキュラーフード”と位置づけて事業を展開する徳島大学発のベンチャー企業です。
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「C. TRIA クッキー ココア/ハーブ&ガーリック」(8袋入り/¥1,290)。同じく徳島で規格外農産品などを使った菓子作りなどに取り組んできた市岡製菓と協業。ほかに、きなこ&黒蜜風味の「C. TRIA クッキー きなこ」(4袋入り/¥780)なども。
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社内のSDGsへの関心が高まっていたという寿製菓との協業で誕生した「C. TRIA クランチ」(10本入り/¥980)。C. TRIAシリーズについては、「パッケージにコオロギがないのがよい」というユーザーの声も。
「食用コオロギの商品化については、当初から多くの企業の問い合わせがありました。しかし新しい食材ゆえに大手企業では社内の合意を取るのが難しく、2019年に自ら前例作りをしようとグリラスを設立。食用コオロギの普及と、将来的なタンパク質危機について啓発したいという思いがありました」(同・川原さん)
2021年6月には自社ブランド「C. TRIA(シートリア)」を展開。現在は、クッキー、チョコクランチ、カレー、冷凍パンを販売しています。
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カレー、パンのほか、食用コオロギのパウダーとエキスも開発、販売している。
「C. TRIAブランドの立ち上げは2020年12月でしたが、コオロギがエビやカニに類似した食物アレルギーを引き起こすことから、製造ラインの都合で作れない会社が多く、商品化が難航。そのなかでゼロから商品開発にチャレンジしてくれる2社と出会い、ようやく商品化にこぎ着けました」(同・川原さん)
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食用コオロギの味は、品種と飼育方法の影響を受ける。現在、食用としてポピュラーなコオロギの品種は2種あるが、グリラスでは「フタホシコオロギ」のアルビノ種を採用し、小麦フスマを中心とした食品ロスをエサに。白い目のアルビノ種を用いるのは、一般的な黒い目のコオロギが混入しても気づきやすくするため。
サステナビリティはもちろん、食用コオロギの味やトレーサビリティにもこだわるグリラス。ユーザーが心から「食べたい」と思える食品を作ろうとする姿勢には、社会課題の解決に向けた覚悟がにじんでいるようです。
取材・文/有馬ゆえ