養蜂サポートから超自然派フレグランスまで。ゲラン流サステナブル
最高峰のラグジュアリーを追求する世界屈指のビューティメゾンが、生物多様性や環境保護のためにサステナブルなマニフェストを掲げはじめています。ゲランのメゾンのコミットメントから、後世へと受け継がれるべき美しき矜持を紐解きます。
ゲランの
気高きたくらみに迫る
シャネル、ディオール、イヴ・サンローランを含む4大メゾンで、もっとも極立って、ハイパフューマリーとしての伝統と歴史を守りながら、サステナブルな革新を続けるゲラン。生物多様性や環境保護活動への取り組みも早かった。メゾン最高峰スキンケアライン「オーキデ アンペリアル」のキー成分、オーキッドの栽培研究機関を2000年代に設立。植物学者とともに自然由来成分をサイエンスで探求してきただけでなく、「アベイユ ロイヤル」誕生時から、配合の蜂由来成分の源、フランス・ウエッサン島のブラックビーの保護活動もスタートさせている。とくに蜂はメゾンのシンボルでもあることから、世界ミツバチの日への支援活動をはじめ、2020年にはグッドプラネット財団とパートナーシップを締結し、養蜂のサポートもスタートさせている。
そして2022年春、大きなニュースとなったのが、有機栽培で生産されたアルコールを採用し、最大95%天然由来成分配合、ナチュラルフォーミュラのフレグランス新「アクア アレゴリア」の発表。香水にアルコールは不可欠だが、そのすべてを有機栽培に変換したのは革新的。エコの観点からボトルには15%リサイクルガラスを使用し、リフィル対応も。
環境保護活動家であり写真家、グッドプラネット財団の創設者でもあるヤン・アルテュス=ベルトラン氏によるコミュニケーション活動や、2023年までにメゾンに欠かせない40種の原材料を100%、持続可能なサプライチェーンを通して生産することにもコミット。
世界屈指の老舗パフューマリーの真摯な活動が大きなうねりとなり、ラグジュアリーの価値が刷新される日も遠くないはずだ。
●情報は、FRaU2022年8月号発売時点のものです。
Photo:Kenichiro Fujimoto(products/A.K.A.) Text&Edit:Sawako Abe
Composition:林愛子