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自由で軽やかな「タイニーハウス」暮らし
自由で軽やかな「タイニーハウス」暮らし
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自由で軽やかな「タイニーハウス」暮らし

私たちのふだんの行動軸をベースに、未来を変えるアクションをはじめてみませんか? 毎日の暮らしのなかで、できそうなことから、新たな世界での体験まで、やりたいことから探してみましょう。今回は、タイニーハウスで暮らす相馬由季さんに伺いました。

土地やローン返済に縛られない
シンプルで新しい住まい方

タイニーハウスは2000年前後にアメリカで生まれた新しい住まい方のムーブメント。ローンを抱えず、小さな家でシンプルに暮らし、人やモノとの関係性や生き方を見つめ直そうという考え方がベースになっている。相馬由季さんはそんな暮らし方に共感し、2年ほどかけて、ほぼDIYでタイニーハウスを完成させた。神奈川県の海沿いの町に土地を購入し、12.4㎡で夫と暮らしている。

「最近はタイニーハウスを販売する会社もあり、多様な選択肢があります。大切なのは、そこでどんな暮らしをしたいのかを明確にすること。それが決まれば、場所や広さ、間取りなど具体的なことが見えてくるはずです」

タイニーハウスは決して「手の届かない夢」ではない

Q.タイニーハウスの定義って?

アメリカでは10~40㎡の家で、多くの場合シャーシ(車台)の上に建てられた、移動できるものを指します。日本における定義はありませんが、おおむね10~25㎡前後でシャーシつきのものと、移動できない基礎つきタイプがあります。小屋との違いは「住める」環境であること。比較的、経済的負担が軽いことも特徴です。

Q.土地探しのポイントは?

森にタイニーハウスを建てるのも素敵ですが、小屋ではなく生活する場所ですから、水道、電気、ガスなどのインフラを整えられるかは要チェック。タイニーハウスをどこからか車で牽引して現地に持ってくる場合は、経路に牽引車が通れるだけの幅があるかも確認を。土地探しは、住みたい地域の不動産会社やインターネットで。一般的な住宅を建てるのと同じ手順です。

Q.かかる費用はどれくらい?

私の場合はシャーシ代が約100万円、その他はDIYに300万円ほど。別途、土地購入代もかかりました。既製品でも300万円くらいからラインナップがあります。自分好みのハウスを建てたい人はシャーシだけ購入し、建物部分は個人営業の大工さんや工務店につくってもらうという手も。「どんな家で、どんなふうに暮らしたいか」によって、方法も金額もさまざまです。

Q.税金や水道光熱費は?

土地への定着性がある固定式のタイニーハウスには条件により固定資産税がかかります。シャーシつきで移動できるタイプは、水道などのインフラが着脱式であることなど、条件を満たせば固定資産税はかかりませんが、自動車税がかかります。ちなみに毎月かかる水道光熱費ですが、家が小さい分、格段に抑えられ、わが家は月に1万円以下です。

Q.トイレやお風呂はある?

上下水道ともに敷地近くに公営の上下水道本管が通っていれば引き込み可能(条件によって費用はまちまち)。普通の家と同じような水回り環境をつくれます。下水道本管がない場合は浄化槽を設置する必要があるのでご注意を。公共インフラに頼らず、自然エネルギーやコンポストトイレで生活する「オフグリッド」に挑戦するという選択肢もあります。

Q.メリット、デメリットは?

最大のメリットは「軽やかに暮らせること」。ローンの返済や土地に縛られることなく生きられるのは、とても自由で、清々(すがすが)しいもの。デメリットを強いてあげるなら「狭い」ことですが、必然的に持ち物を取捨選択することになるので、「自分にとって本当に必要なものは何か」「自分はどんなふうに生きたいのか」を考える、いい機会になるはず。

PROFILE

相馬由季 そうま・ゆき
ミニマルライフなどを通して自由な生き方を提案するメディア運営会社所属。個人ブログではタイニーハウス生活のノウハウを発信する。tinyhouse-travelers.com

●情報は、FRaU2022年8月号発売時点のものです。
Photo:Yuri Manabe Text & Edit:Yuriko Kobayashi
Composition:林愛子

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