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「深刻すぎるアフリカの水事情」を写真で世界に訴える
「深刻すぎるアフリカの水事情」を写真で世界に訴える
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「深刻すぎるアフリカの水事情」を写真で世界に訴える

自然破壊や環境問題など、世界各地で起きている出来事を独自の視点で捉える作家たち。ニュース映像や報道写真とは一線を画する、アーティストたちのメッセージをフィーチャーします。

エスピン・アイヒヘーファー
「温暖化で安全な水がますます稀少に」

アフリカ、ガーナのヴォルタ・ラグーン。気候変動による異常気象で洪水や干ばつの被害が深刻になっている。 安全な水の供給と衛生の改善、インフラ整備も急務

「アフリカの水事情は深刻だ。比較的情勢のよいガーナでさえも、家に水道が引かれているのは20%ほど」。そう語るエスペン・アイヒヘーファーは、プロの写真家になる前からアフリカ各地、ウガンダ、タンザニア、ジンバブエなどを訪れ、多くの国々で撮影してきた。今回紹介しているのは2021年春にガーナを訪れたときのもの。上のヴォルタ・ラグーンの写真は、干上がり、地表が割れ、環境汚染による大量の塩素やカルキを含んだ沈殿物があらわになったようすが写し出されている。

首都アクラ郊外にある、NGOによって運営される海沿いの街の女子校。飲み水の供給インフラはなく、トイレも常備されていない

「温暖化の影響で21年の雨季は短く、とくに降水量が少なかった。暖かくなりすぎて、ここにいる魚の種類も変わってきている」

汚染されたヴォルタ川のほとりに座る子どもたち。水の問題は市民への教育がとくに重要となる

気候変動に加えて、ガーナでは安全な水が供給されないことも問題となっている。内陸部には充分な水がないことから、農民は家畜を川に連れてきて水を飲ませるのだが、そのとき家畜の排泄物も流してしまう。さらに人間が出すごみも川に流される。SDGsに「安全な水とトイレを世界中に」という目標があるが、まったく追いついていないのが実情だ。

「飲み水のインフラ構築や教育が行き届いていないことが原因です。人々の健康が維持できるようになるまでアフリカの現状を伝えていきたいと思っています」

PROFILE

エスペン・アイヒヘーファー
1966年ノルウェー生まれ。ベルリンのフォトエージェンシーOstkreuzメンバーで、各地で展示を行う。www.espen-eichhoefer.de

●情報は、FRaU2022年1月号発売時点のものです。
Coordination:Yumiko Urae Text:Yuriko Kobayashi , Chizuru Atsuta Edit:Chizuru Atsuta

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