「結婚から逃げるが勝ち!」パキスタンのボードゲーム
国や地域によって違う、世界のジェンダーとダイバーシティ。さまざまな取り組みのなかから、今回は、パキスタンの事例をピックアップ。
望まない、早すぎる結婚を勧める
「仲人」からいかに逃がれるか
南アジアでは、若くして結婚を強いられた女性が勉学やキャリアを積めず、男女格差が生まれてしまうことが問題になっている。パキスタンに生まれ、アメリカの大学で学んだデザイナー、ナシャラ・バルガンワラも同様に、勉学を続けることを反対されていた。そんな自身の経験から考案したボードゲーム「Arranged!」は、プレーヤーが、見合い結婚を成立させようとする仲人からさまざまな理由をつけて逃れようとする、ユニークなゲームだ。
2017年にクラウドファンディングで資金を募ると、世界中から注文が集まった。収益の一部は自国の学童教育へ寄付し、女の子に教育を届けるための資金に。世界に「望まない結婚」を強いられる女性がいまだ多い現状を知ってもらいたい。そうした境遇にある女性たちには「自身の選択肢や意見に自信を持つように」と伝えたい。このゲームには、そんな彼女の願いが込められている。
●情報は、FRaU2021年8月号発売時点のものです。
Text:Yumiko Nakanishi Edit:Asuka Ochi