身近な服から始めるサーキュラーエコノミー
SDGs先進国といわれるスウェーデン。なかでも南部に位置する都市マルメは、オーガニック食材やサーキュラーエコノミー、ゴミ問題に関する関心が高く、住民による活動が盛んなエリアでもあります。マルメのローカルから未来のありかたを学びましょう。今回は、身近な服から経済を循環させるショップについて、お話を伺いました。
Circular Economy
不要な服を循環させるセカンドハンドショップ
日本でも古着店は多くあるが、マルメの〈スワップショップ〉はちょっと違う。客は不要になった服を持ち込むと、査定後にグリーンのハートのカードをもらう。これはこの店だけで使える“通貨”で、店内にあるアイテムと交換することができる。ひとつのショップ内で客とモノが循環していくという仕組みだ。
「気がついたらサーキュラーエコノミーをしていた」と笑顔で答えるオーナーのジェーン・ウルソンは、2013年に店をオープンした。サーキュラーエコノミーとは直訳すると“循環型経済”。独自の通貨を作ることで、この店の中でアイテムの価値が回っていく。
服好きが高じて、自分の家はおろか実家にまで服を溜め込んでいたという彼女。その状況を改善しようと最初は服の交換会から始め、ついに店を構えるまでになった。
「お店なんてまったくの素人だったけど、自分の生活を見直し、社会をよりよくしたいと思って始めたの。この仕事を通して、持続可能な経済とはどういうことか学ぶことができた。自分のワードローブのおかげね(笑)」
ものがあふれるいま、身の回りの服から経済を循環させることができる、そんな好例だ。
SWOP SHOP www.swopshop.se
●情報は、FRaU2019年1月号発売時点のものです。
Photo:Norio Kidera Coordination:Akiko Frid Text & Edit:Chizuru Atsuta