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メニューがないケータリングで食料廃棄物を削減
メニューがないケータリングで食料廃棄物を削減
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メニューがないケータリングで食料廃棄物を削減

SDGs先進国といわれるスウェーデン。なかでも南部に位置する都市マルメは、オーガニック食材やサーキュラーエコノミー、ゴミ問題に関する関心が高く、住民による活動が盛んなエリアでもあります。マルメのローカルから未来のありかたを学びましょう。今回は、フードロス削減につながる新しいケータリングサービスについて、お話を伺いました。

Avoiding Food Loss
ケータリングサービスで食品廃棄問題を改善する

サラ(右)とラナ。レストランの一角を間借りして、ルードフードのストックルームにしている。食品衛生面から肉や魚を扱うのは難しいため、ケータリングのメニューはヴィーガンを基本とする。

食品廃棄物を削減しようとするさまざまな取り組みがあるなかで、廃棄予定の食料を使ったケータリングを提供するのが〈ルードフード〉だ。もともと環境問題に興味があったサラ・フレンニングとエストニア出身のラナ・テイダルは、見た目が悪い、箱が潰れているというだけで廃棄処分される食料品があることに問題意識を持ち、2015年から活動に参加した。

地元の店に協力してもらい、野菜や果物、パンなど、廃棄処分になる食料を集めて回る。ケータリングのオーダーは学生のパーティから企業のミーティングまで多岐にわたるが、特筆すべきはメニューがないことだ。

「活動はSDGsナンバー1の貧困、2の飢餓、11のまちづくり、12の『つくる責任 つかう責任』、13の気候変動、14の海の環境、15の陸の環境の項目につながる」と2人。

「そのときある食材でメニューを考える。ルードフードのいちばんのテーマです。お客も何が出てくるかわからないことを楽しみにしてくれる」とサラ。一方、ラナも「冷蔵庫を見て、この中で何ができる? というところから始めるので、ライブ感があって面白い。とてもクリエイティブなことなの」と笑う。

廃棄食品という課題に対して、作る側は楽しみながら伝えることができ、食べる側は考える機会を得る。ルードフードは広がりのある新しいケータリングサービスなのだ。

Rude Food www.rudefood.se

●情報は、FRaU2019年1月号発売時点のものです。
Photo:Norio Kidera Coordination:Akiko Frid Text & Edit:Chizuru Atsuta

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