返品された服をゴミにしない循環型ビジネス
SDGsという目標が掲げられたことで、問題意識は世界中へ拡散! 各国でさまざまなプロジェクトが立ち上がり、賛同した市民が動き出しています。社会を変えるのは身のまわりから。小さくも偉大な、その一歩を紹介します。今回は、アメリカの取り組みをピックアップ!
直してから、再び売る。
洋服の新しい循環の形
近年、増加傾向にあるオンライン注文で、損傷などを理由に返品された服は、二度と市場に戻ることはない。在庫過多で余った服はアウトレットに回すのがせいぜいで、あとはゴミになるばかり。しかし〈ザ・リニューアル・ワークショップ(以下、TRW)〉はそんな服に活路を見出した。
「新しい生地から新しい服をつくって売るだけが方法ではない、というマインドセットを業界に投じているんです。服は資源の賜(たまもの)。ほんの小さなダメージだけで廃棄するのではなく、それを直してリブランドして売れば、消費者は市場の3割安で買えるうえ、環境、社会、ブランド自身にもポジティブなインパクトを与えられる」と創業者のニコル・バセット。
〈TRW〉は市場に再び出せるよう服を直すだけではなく、返品の原因や傾向を提携企業にフィードバックし、今後のデザインに役立ててもらっている。
この循環型ビジネスは、一着の服が持つ可能性と資源を、ムダなく消費者とブランドに還元しているのだ。
The Renewal Workshop renewalworkshop.com/
●情報は、FRaU2019年1月号発売時点のものです。
Text:Sakiko Sedaka Edit:Yuka Uchida