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脳出血で倒れたワーママ、その後の日々⑥ 脳卒中同志がココにも!? 遠隔リハとの出合い
脳出血で倒れたワーママ、その後の日々⑥ 脳卒中同志がココにも!? 遠隔リハとの出合い
COLUMN

脳出血で倒れたワーママ、その後の日々⑥ 脳卒中同志がココにも!? 遠隔リハとの出合い

2021年7月後半のある日曜日の朝、突然倒れた本サイトの制作担当、私ことエディター・ライターの萩原はるな。脳卒中の一種である「脳出血」と告げられ、命に別状はなかったものの、右手右脚がまったく動かない状況に! 約5ヵ月のリハビリ入院を経て車イスを卒業、退院半年後にはツエなしで歩けるようになりました。けれども、まだまだできないことがいっぱい! リハビリの日々は続くのでした。

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この先、どこまで回復するのかわからない!

何の前ぶれも心構えもないまま突然倒れ、身体が自由に動かなかった私。「いったいこれから、私はどうなってしまうのか」「家族は、仕事は、日常生活は?」と不安だらけのまま、急性期病院(=病気が発生した際に治療を受ける病院)からリハビリ専門病院に転院。何が辛いって、この先どのくらい自分が回復するかが、わからないことでした。

幸い、集中治療室に運ばれた直後からスマホがつかえたため(着ていたものも荷物もどこにあるのかわからなかったものの、スマホがあっただけで、なんかひと心地がついたものです)、落ちつくやいなや「脳出血」「予後」「マヒの回復」「どこまで」といったワードで検索をしまくりました。けれども残念ながら、「私はここまで回復できるんだ」「この先こういう生活が待っているのか」と思えるような情報にはたどり着けませんでした。

片手でも扱いやすいよう、小さめの軽いノートパソコンを夫が病室に差し入れ(!)てくれた。入院中、病室内にWi-Fiが導入されて一気に病院生活がパラダイス化

学術的な論文はわかりにくいし、当事者のブログやYouTube、SNSはあるものの、コンスタントに長期間続いているものはなかなかありません。追いかけているうちに消えたり更新が途切れてしまうSNSがほとんどで、「それで結局、いまはどうなっているの?」と歯がゆい思いを何度したことか……!

そりゃそうか。脳卒中先輩の多くは、思うように動けない身体で日常生活をがんばっている人がほとんどのはず。定期的に投稿を続けていくのは、なかなか難しいのでしょう。

ロレツはあやしかったものの、幸い脳自体の機能は以前とあまり変わらないと自覚があった私。30年近く続けてきた、雑誌や書籍を書くスキルはまだ残っているはず。ならば、自分の身に起こっていることを、そのまま伝えていこう!と病室のベッドで決意。私と同じように「この先どうなっちゃうの?」と不安に思っている方とそのご家族に、少しでもリアルな情報を伝えることができたら、と思いました。

細かい採寸やテスト歩行を重ね、理学療法士さんと装具技師さんがつくりあげてくれたマイ装具。黒いレザーに白いステッチを施してもらった

退院が近づいたころ、これまで一緒に仕事をしてきた編集者にメールで「闘病記を書きたいんです」とメール。その結果、「ミモレ」という女性をターゲットにしたサイトで連載させてもらえることになりました。その連載が終わるころ、ミモレ編集部を介して一通のメールが届いたのです。

メールをくれたのは、脳卒中経験者向けに、遠隔とカスタマイズ動画によるリハビリを提供しているCOPAIN(コパン)代表の松本安弘さん。2016年に脳卒中の一種である脳梗塞を発症し、リハビリに苦労した経験がある方でした。自身の経験を活かし、熊本県にある回復期病院と共同で「遠隔リハビリ」をスタートしたというのです。

松本さんは、41歳(若い!)のときに小脳梗塞になったとか。私と同じように、発症後は情報に飢えていたことから、「当時、この連載を読めていたら、私もこんな苦労はしていなかったと感じ、ぜひ弊社サービスを知っていただきたく、失礼とは思いましたがご連絡しました」と綴られていました。

リハビリ病院でのリハビリの友・大量のお手玉。机の上にどさっと積まれたお手玉を、一つひとつ左から右に移動させ、箱に落としていく。日々、こうした地味なリハビリにいそしんでいた

松本さんは、発症当時はさまざまなバランス感覚の喪失などがあったため、日常生活もままならなかったとか。私は食い入るようにメールの続きを読みました。

「しかし、制度上満足なリハビリは受けられませんでした。そこで自主トレーニングを続け、半年後には仕事に復職できました」

な、なんですって!? 半年後に復職できるくらい自主トレーニングで回復した? いったい、どんな自主トレーニングをしたのでしょう……?

整体の施術を受ける私。通い始めた当初は、凝り固まった腕を上げられるたびに悲鳴をあげていた。退院から1年半がたったいまは、余裕の笑顔!

リハビリだけでなく、メンテナンスも大事

以前もお話したとおり、退院から1年が過ぎたころには、私のリハビリは2週に一度のみ。近所の総合病院のリハビリ室で、40分ほど肩と手のリハビリをおこなっていました。字を書いたり手のグーパーを繰り返したり、ひたすらリハビリ用の小さな積み木(?)を右から左に移したりと、手のリハビリはとっても地道&地味。しかも隔週たった40分ではなかなか効果を感じにくいのです。

リハビリ病院時代は、毎日3時間みっちり、歩行と腕の機能のリハビリを受けられました。しかもリハビリの前半は、理学療法士さん&作業療法士さんたちによるマッサージが受けられたのです……! いま振り返ると、なんと贅沢な日々だったことか。

身体の半身が動きにくいことは、動きやすいほうに多大な負担がかかってしまうことを意味します。私の場合、左側の腰からお尻、足全体がめちゃくちゃ疲れてしまい、ガッチガチにカタくなってしまうのでした。

そこで駆け込んだのが、元看護師さんらが運営している整体院。脳卒中の後遺症に悩む方々を多く施術してきたということで、多くを語らなくても、痛くて辛いところをしっかりケアしてくれます。しかも、身体のつかい方が変化して崩れがちなバランスを整えてくれ、関節がうまく動かせないためカタくなってしまう「拘縮(こうしゅく)」も軽減されるような気もするのでした。

というわけで、身体のメンテナンスはバッチリしてもらっているものの、リハビリ面では「何とかならないかなあ」と思っていた私。

さっそく松本さんにメールを送り、実際に会ってみることにしたのです。

──第7回目「遠隔リハビリに挑戦!編」に続きます──

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