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半径5mで楽しむ収穫の秋
半径5mで楽しむ収穫の秋
COLUMN

半径5mで楽しむ収穫の秋

SDGsって結局何をすればいいの?エシカルもカーボンニュートラルも大事なことはわかるけどいざ実践するのは簡単じゃないよね・・・そんなDoWellとは縁遠い生活を送ってきた筆者(PRプランナー時々母親)が、ふとしたきっかけでDoWellに向き合うことに。さあ大変、知識も意識も足りない筆者が背伸びせずに身の回りの手の届く範囲でできるDoWellな事=半径10mのDoWellを紹介するコラムです。今回は第1回のコラムで得た気づきをもとに、さらに身近な半径5mに焦点を当てました。

前回のコラムはこちら

ふるさとは遠きにありて

自慢ではありませんが、そこそこ田舎の方の出身です。過疎が進む北陸の田園地帯、山まで5分、海まで10分、最寄り駅までは車で30分(今は廃線の危機)、バスは2時間に1本(終バスは18時50分)。中学2年生の時に町に初めてのコンビニ(車で15分)ができた時には、夜まで開いている店が珍しすぎて、町中の人が詰めかけたあげく、駐車場待ちの渋滞がおき、その月そのコンビニチェーン内で全国2位の売り上げを叩き出したというエピソードがあるぐらい。

そして、その田舎にもうずいぶん帰っていません。最後に帰ったのはパンデミックなんて思いもつかなかった、3年前の夏。突然こんなことを思ったのは、実家から裏山で取れた大量の栗が送られてきたのがきっかけかもしれません。

今思えば小さな頃の自分はずいぶんと野生児じみた日常を送っており、そんな日常の中で無自覚ではありながら、自然と生命や資源の循環を体験していたように思います。水道は井戸水、水洗トイレやガスボイラーはないけれど、風呂をわかす薪や着火剤がわりの杉の葉は裏山に行けばいつでも取れるし、生活の中で排出されたものは畑の肥料として再利用するのが当たり前、裏庭で掘り出したミミズを餌に川で釣った魚を食べることもできました。そして、そんな日常は確かに今の自分の一部を形作っており、守るべき海や陸の豊かさが何をもたらしてくれるか、なぜそれを守らなければならないかをイメージすることにもつながっています。

一方、東京の真ん中に生まれ育った娘(12)の立場でそれは容易ではないかもしれません。特にここ2年、長期休みの帰省で体験できていた田舎での農作業や収穫体験がなくなり、都心の公立学校では夏の林間学校も連続して中止になっています。コラム第一回の脱プラスチック生活でも実感しましたが、普段目にする肉や魚、野菜のほとんどは、洗浄され、成形され、パック詰めされているものが多い。これではいかんと一念発起し、今回は半径5m(自宅のベランダ、庭、軒先)でできそうな、命を育て収穫して食べる体験を探ってみました。

コロナ禍で増えた半径5mの食育体験ニーズ

周辺のママたちに聞くと、コロナ以降家庭で野菜や果物を育て始めたという人はかなり多いようです。昨年の休校期間に子供と一緒にできるちょっとしたアトラクションとしてやり始めた人や、自宅で料理する機会が増えたことでよく使う食材を育てるようになった人など。今回は、私自身が体験したものや、経験者の皆さんに聞いた中で楽しそう!やってみたい! と思ったものから、いくつかの栽培&収穫体験をご紹介したいと思います。

原木からのしいたけ栽培

最初に紹介するのは、原木からのしいたけ栽培&バーベキュー。これは実際に友人から勧められて我が家でもやってみました。入手するのは「原木しいたけ」。乾燥した直径15cmほどの丸太に、しいたけの菌が埋め込まれたものです。「しいたけ+原木」で検索すると、ネットショップ等で2,000円前後で買えます。私の子供時代は、近所のおじいさんが大規模にしいたけ栽培をやっていて、裏山の奥の方に行くとやぐらのように組まれた大量の原木ゾーンがあり、丸太に穴をあけたり、菌を埋め込んだりするところからやっていた気がするのですが、今はこんな便利なものがあるんですね。

しいたけ栽培のポイントは気温と湿度。暑さや乾燥が苦手なキノコ類ですので、栽培できるのは晩秋~春先。最低気温が18℃以下にならないと発生しにくいそうです。なので、まさにこれからの時期はおすすめです。そして、菌が埋め込まれた原木を購入したらまず丸一日、陽の当たらない場所で浸水させるところから栽培が始まります。とはいえ、直径15cm全長1m近い丸太なので、なかなか場所の確保が大変ですが、我が家ではお風呂を使いました(ちょっと掃除の手間がありますが)。キットによっては専用の「浸水袋」がセットになっていたりもしますので、それを使うのもいいでしょう。そこから先は自宅の軒下や庇(ひさし)の下などの日陰エリアにやや角度をつけて寝かせ、遮光ネットをかけてしばし待つとあら不思議。2~3日で小さなしいたけの芽のようなものが生えてきました。そこからはさらに角度をつけて原木をたてかけ、1日1~2回霧吹きで満遍なく湿らせます。発芽から1週間ほどで、スーパーで売っているようなサイズのしいたけが収穫できるようになりました。

私が入手した原木では、しいたけの菌が埋め込まれた穴が丸太1本で50個ほどあるのですが、全部が一度に収穫時期を迎えるわけではないので、数日に1回、都度都度収穫が可能です。毎朝の霧吹きタイミングで「そろそろこのへんいけそうだな~」とか「ちょっと大きくなりすぎちゃったかも」と思いながら見ていました。

収穫したしいたけは、まずはシンプルにフライパンで焼いて、醤油を少したらした焼きしいたけでいただきます。自分で作っただけに美味しさはひとしお。その他、ホイルバター焼き、しいたけステーキなどで楽しみつつ、食べきれないものは干ししいたけにもできます。これからはお鍋なんかに入れてもいいかもしれませんね。そして、この原木しいたけがすばらしいのは、収穫後に原木を休ませると2回、3回と繰り返し栽培&収穫ができるところ。我が家ではかなり小ぶりなのも含めるとトータルで100個以上のしいたけを収穫することができました。

万能ネギ・バジル・大葉の三大薬味

次に紹介するのは、未経験ながら周辺に聞いてやってみたい! と思ったもの。まず、いますぐにでもやろうと思っているのが、この「よく使うし、ちょっとしたタイミングで使いたくなるけど、わざわざスーパーに買いに行くのは面倒」な三大薬味“万能ネギ・バジル・大葉”です。蕎麦やうどんパスタなど、休日の食事は麺類多めの我が家。日曜のランチに蕎麦をゆでて薬味たっぷりで食べた後で意外と余らせてしまったりするもったいない経験も数知れず。でも、自宅で栽培すればそんな悩みともお別れできそう。実践中の友人曰く「まずは万能ネギが簡単。初心者でも全然いける。ほぼほったらかしなのに、ずっと生え続けている」とのこと。調べると、確かに一年中栽培が可能で、手間もかからなそう。ネックはやや臭いがあることのようですが、一方で害虫を寄せつけにくいという効果もあるようなので、虫に弱いハーブなどを一緒に栽培していると害虫駆除剤を使わなくていいというメリットもあるようです。ということで、早速週末にプランターと種を買いに行きます♪

スーパーの食材のあまりを再利用できる!あんなものこんなもの

3番目に紹介するのは、わざわざ苗や種を買いに行かなくても、スーパーで買った食材の種や余りを再利用&再収穫する体験。こうした食べた後の部分を利用した栽培を「再生栽培」と呼ぶらしく、再生栽培で生まれた野菜を指す「再生野菜(リボベジ)」なんて言葉もあるようです。まさに一粒で二度美味しい体験。お財布にも優しく、身近なものから食材を大切にする意識を学べそうです。

そんな再生野菜(リボベジ)の代表格といえば、豆苗やカイワレ大根。これは我が家でも何度か試してみたことがありますが、とっても簡単。豆苗やカイワレ[1] 大根の食べる部分を切った後、残った根っこの部分をタッパーに入れて、水につけてしばらく置くとニョキニョキ生えてきます。そして1週間ほどで食べられる大きさになるので、上部を切って利用し、そのまま置いておくとまたニョキニョキ生えてきます。すごいな、豆苗の再生力! いつも2回ぐらいでお別れしてしまうのですが、実際問題、何回ぐらい再生してくれるのか興味があるので今度チャレンジしてみようと思います。

再生できるのはこういった根っこが残るものだけに限りません。人参や大根のヘタの部分も水につけておくことで、上部の葉の部分が伸びて再生できますし、葉物野菜の代表格キャベツやサニーレタスは芯の部分をコップの水につけておくことで、葉の部分が再生していくとのこと。

さらに、今やってみたいのが我が家の食卓に欠かせない食材アボカドの種の再生。アボカドの種はいつも輪切りにする時に「ちょっと邪魔だなあ…」とか「これがこんなに大きくなければもっと食べられる部分が多いのに!」とか思いながら、邪険にしてしまっていたのですが、この種も、水につけておくと発芽してぐんぐん育つそうです。育てている人の写真をSNSなんかで見ると、おしゃれな観葉植物みたいに育っています。実を収穫するには受粉させたりと、ちゃんと工程を経る必要があるようですが、まずは水耕栽培で試してみたいと思います。

普段はどうしてもきれいに陳列された状態で触れることが多いため、野菜=命という実感を持ちにくいかもしれませんが、こうして再生する姿を見ることで、一つひとつの野菜が生きているもので、その命を頂いていることを改めて実感できるかもしれません。

いかがでしたか?  まだしばらく、娘と一緒に帰省できるまでは時間がかかるかもしれませんが、ふるさとから遠く離れた東京で、いつか帰れる日を心待ちにしつつ、命の循環を少しだけ体験してみたいと思います。

文/村木みちる

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